azukki的. 姉妹猫mao(黒)とmeo(銀)、保護猫ノア(黒白) 空と花と石と美しいもの。

君は投入堂を見たか




f0169147_20535980.jpg
三徳山投入堂(みとくさんなげいれどう)



あなたは三徳山投入堂を知っていますか。

鳥取県東伯郡三朝温泉の近くにある三徳山三佛寺の奥の院「投入堂」。
三徳山は平安時代に盛んになる山岳信仰の霊山であり、三佛寺は修験道の霊場です。
「投入堂」はその修行の地の頂点、断崖絶壁に嵌め込むように建てられた奇跡の建築。
いつか行ってみたい、しかし、そこへの道は大変険しく急峻で「登山」に等しいと聞いていました。
登山靴など底に溝がある靴が必須で、入山前の靴点検で許可が降りない場合は草鞋(わらじ)を購入しなければならないとか。
10年で3人の方が亡くなっているとか。
「日本一参拝が難しい国宝」とか。
本格的な登山の経験はなく、体力もなく、高所恐怖症の自分に登れるのだろうか。
不安はありましたが、生きているうちに「投入堂」をこの目で見たいという気持ちが募って、ついに行って参りました。



f0169147_20552460.jpg




最初の石段だけでもけっこうなものです。



f0169147_20554982.jpg



f0169147_20553413.jpg
この石段、波打っているのがわかりますか。
古来、多くの人が参拝したために石がすり減っているのでしょうか。


f0169147_21590153.jpg




入山名簿に入山時間と名前を書いたら輪袈裟を身につけるのが決まり。
参拝登山の始まりです。

f0169147_21580436.jpg




f0169147_20575476.jpg
f0169147_20580724.jpg
f0169147_20582155.jpg
修験道の開祖、山伏の元祖といわれる役行者(えんのぎょうじゃ)の像が迎えてくれます。
このあたりまでは普通の道...


え?ここ登るの?
f0169147_20583454.jpg
そうです、ここを登るのです。
軍手、トレッキングシューズをたよりに全身を使ってよじ登るしかありません。



あとは、こんな木の根を登ったり。
f0169147_20584740.jpg
f0169147_20585892.jpg


f0169147_20591097.jpg

こんなクサリ坂を登ったり。
f0169147_20592851.jpg
登っているあいだはほとんど写真を撮る余裕がありませんでした。
「嘘でしょ?」「これどうやって登るの?」「これ登ったら降りるってことよね、どうやって降りるの?」の連続で、次々に現れる目の前の難所をひたすら夢中で登っていくのみ。






クサリ坂を登ったところにある文殊堂でひと休み...
といっても、ものすごく高いところに立っていて、しかも1周できる縁が前傾しているので、こわいなんてものじゃない...

f0169147_20413431.jpg


f0169147_21014049.jpg
f0169147_20593971.jpg

f0169147_20595409.jpg
(落ちたら死にますね)





文殊堂からまたしばらく難所を切り抜けて、観音堂が見えてきます。
f0169147_21020021.jpg
f0169147_21063528.jpg
この観音堂もまた凄いところに立っていて。
その裏を通り抜けると。


投入堂です。
f0169147_21155182.jpg



f0169147_21021468.jpg

f0169147_21154194.jpg

投入堂はまるで岩から生まれ出てきたかのように、とても自然に、周囲の岩肌と一体化してそこにありました。

現在の研究では1000年ほど前の平安後期に造られたとされ、現存する神社建築では日本最古級とも。
この垂直に切り立つ断崖絶壁にどうやって建てたのか。
慶雲三年(706年)、役行者(えんのぎょうじゃ)が法力によって岩窟に投げ入れたという伝説があるのも頷けます。
まさに投げ入れられたとしか思えない「投入堂」。
一般の参拝客はそこへ上ることはできません。
手前の岩肌にしがみつくようにして仰ぎ見るのみです。




f0169147_21022520.jpg
岩が廂のようになっている、この場所に建てようと思ったことも、実際に建てたことも、凄い。
凄いのですが、投入堂がそこにある姿、たたずまいはとても自然で軽やかで、作為的なものを感じないのです。
それゆえ、いっそう尊い。







帰りは地蔵堂でひと休み。
...といっても、ここもまた凄まじい立地。
眺めは素晴らしいのですが、下は奈落のごとし(落ちたら死にます)。

f0169147_20433166.jpg


f0169147_21023501.jpg


f0169147_21025778.jpg
参拝客が握るのでつるつるになったモミジの幹。

念願の投入堂参拝を果たした達成感からか、下りは不思議なほど足取り軽く楽しんで降りました。
下山後すぐに「ああまた登りたい!」と思ったほど。
参拝=修行であり、想像以上に厳しい登山だったのですが、それを自分の体で克服していくこと、道中の風景、そしてそこにたどり着いた者だけが見ることができる投入堂の美しい姿...
純粋に楽しかったんです。
なんとも言えない高揚感と感動と清々しさと。
生きているあいだに自分の目で見ることができてよかった。
ここへ導いてくれた友(一蓮托生)に感謝です。

それにしても驚いたのは、年配の方が多いことです。
70代、80代?と見える方も登っておられました。
私も見習って、もっともっと年をとっても登れる体でありたいと思いました。




参拝登山を終えて、ニジマスの生け簀がある「みとく苑」にてニジマスの塩焼き定食を。
これ!絶品でした。
体にしみわたりました。


f0169147_20433374.jpg

帰宅途中で温泉に入って疲れをほぐし、さらに体は軽く。
参拝と温泉、セットでおすすめです。



さて、(知っている人は知っている)あんなにか弱くて運動が苦手そうなazukkiさんにも登れるなら私も!と思った方へ。

参拝にはいくつか心得がありますので、ご準備ください。
三仏寺HPは こちら
参拝については こちら


案内板。
f0169147_21280371.jpg


拡大しました↓
f0169147_21411806.jpg

f0169147_21351345.jpg


























生きているあいだに一度は訪れたい投入堂。


f0169147_08085367.jpg





(20171010)


by azukki_bio | 2017-10-17 21:52 | 聖地巡礼・石巡礼 | Comments(0)